臨床神経学
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症例報告
炭酸リチウムが奏効した反復性過眠症の1例
小川 朋子田川 朝子橋本 律夫加藤 宏之
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2010 年 50 巻 10 号 p. 700-703

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抄録
反復性過眠症の38歳女性例を経験した.発症は26歳で,食欲不振と失禁をともなう高度の過眠のエピソードをくりかえした.過眠期に脳波の徐波化をみとめたが,間欠期脳波は正常で,過眠期の髄液オレキシン濃度も正常であった.炭酸リチウムを中止すると過眠期が頻発し,再開にて過眠発作は軽減した.反復性過眠症の治療は確立していないが,本例では炭酸リチウム療法が有効であったため報告する.
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© 2010 日本神経学会
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