臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
原著
抗凝固療法中に発症した虚血性脳卒中
井上 泰輝稲富 雄一郎米原 敏郎橋本 洋一郎平野 照之内野 誠
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 50 巻 7 号 p. 455-460

詳細
抄録

急性期虚血性脳卒中患者のうち,発症前にワルファリンを内服していた連続197例を,脳卒中治療ガイドライン2004の推奨値に基づき,来院時PT-INRにより治療域群と非治療域群に分け,臨床像を比較した.今回発症時病型では,心原性脳塞栓症は非治療域群(61% vs 77%;p=0.03),ラクナ梗塞は治療域群(17% vs 6%;p=0.01)において,その比率が高かった.心原性脳塞栓症既往例では,治療域群において,入院時NIHSS(10 vs 18;p=0.005),退院時Barthel index(54 vs 33;p=0.03)とmodified Rankin Scale(3 vs 4;p=0.04)が良好であった.

著者関連情報
© 2010 日本神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top