51 巻 (2011) 7 号 p. 499-504
症例は17歳女性である.異常行動が出現し,精神科に入院した.発症26日目に当科に紹介され,卵巣奇形腫にともなう抗NMDA受容体(NMDAR)脳炎がうたがわれたため,翌日に右卵巣腫瘍摘除術を施行した.手術後も意識障害が遷延したため,発症34日目より計4回の二重濾過血漿交換とステロイドパルス療法を施行した.治療後,急速に意識障害は改善し,後遺症なく退院した.病理学的に卵巣腫瘍は未熟奇形腫であった.血清と脳脊髄液で抗NMDAR抗体をみとめ,二重濾過血漿交換をふくめた治療により,抗NMDAR抗体の減少と並行して神経症状の改善をみとめた.