2012 年 52 巻 7 号 p. 486-490
症例は55歳男性である.易怒性と進行性の認知障害で発症した.発症半年後の神経学的所見ではMini-Mental State Examination(MMSE)18点,不明瞭言語,体幹失調をみとめた.脳MRIにて両側大脳白質,中小脳脚,脳幹にびまん性のFLAIR高信号病変をみとめた.左側頭葉内側病変の生検病理診断は,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫であった.病理所見,臨床像,脳MRI所見をあわせ,Lymphomatosis cerebri(LC)と診断し,副腎皮質ステロイドと大量メトトレキサート療法,放射線治療をおこない,寛解をえた.治療により寛解がえられたLCはまれであり,貴重な症例と考え報告する.