臨床神経学
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短報
手掌・両側口症候群を呈した片側橋被蓋傍正中部出血の 1 例~手掌・両側性口症候群~
山口 りか南里 悠介薬師寺 祐介雪竹 基弘原 英夫
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2013 年 53 巻 1 号 p. 46-49

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抄録

症例は83歳男性である.突然の右手指・両側口周囲のしびれ感で発症.神経学的には上記異常感覚の他,右半身に軽度の温痛覚鈍麻をみとめた.頭部CT・MRI にて橋被蓋傍正中部左側寄りに微小出血をみとめた.翌日には右半身の温痛覚鈍麻は消失し,右手指と両側口周囲の異常感覚のみ残存,手掌・両側口症候群と診断した.本例では,左内側毛帯と左三叉神経毛帯腹側路の障害による右手と右口周囲の異常感覚に加えて,左口周囲の感覚を伝える左三叉神経主知覚核からの髄内繊維が交叉前に障害されたと推察した.一側の脳幹(とくに橋)の微小な病変で両側性の神経障害を呈するばあい,主な原因は微小出血であり,MRIのT2*強調画像の有用性を強調したい.

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© 2013 日本神経学会
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