臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
短報
ステロイドパルス療法が奏功した成人ムンプス関連性脳炎/脳症の1例
山本 大介内山 剛杉山 崇史佐藤 慶史郎清水 貴子大橋 寿彦
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 53 巻 10 号 p. 839-842

詳細
抄録

症例は32歳女性である.流行性耳下腺炎罹患の4日後,痙攣を契機に失外套症候群を呈し救急搬送となった.血清ムンプスウイルス抗体の上昇をみとめ,髄液細胞数は正常だが髄液蛋白上昇をみとめ,ムンプス関連性脳炎/脳症と診断した.ステロイドパルス療法開始後に意識障害は改善傾向を示し,無言無動に続き前頭葉症状をきたした.SPECTで両側前頭葉の血流低下をみとめ,病変の主座が視床から脳幹部をふくむ脳深部に存在する可能性が示唆された.ステロイドが有効であったことからも,免疫介在性の要因が推測された.

著者関連情報
© 2013 日本神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top