2013 年 53 巻 11 号 p. 1023-1025
大脳皮質基底核変性症(CBD)は神経細胞やグリア細胞における異常タウ蛋白の蓄積を特徴とする神経変性疾患である.典型的な臨床症候として,進行性,非対称性の失行をともなうakinetic–rigid syndromeを呈するが,同様の臨床像を呈する症例の背景病理として,タウオパチーのほか,アミロイドパチー,TDPオパチー,α-シヌクレイノパチー,プリオノパチーが報告されている.このためCBDの典型的な臨床像を呈する症例の臨床病名として大脳皮質基底核症候群(CBS)を使用し,CBDは病理診断名として使用されるようになった.本稿ではCBSの臨床像,診断基準,背景病理を予測する症候について概説する.