2013 年 53 巻 11 号 p. 1026-1028
CBSの病理学的診断は多彩であり,遺伝学的背景も多彩である.病理学的には前頭側頭葉変性症(FTLD)である頻度がもっとも高く,他にAlzheimer病,Creutzfeldt-Jakob病,Parkinson病/Lewy小体型認知症などが挙げられる.FTLDの原因として頻度の高いMAPT,GRN,C9orf72変異やTARDBP,FUS,LRRK2,CSF1R変異例では臨床的にCBSを呈する可能性があることが欧米を中心に知られている.しかし日本人のCBS発症に関与する 遺伝子については,単一遺伝子異常,疾患感受性遺伝子ともにまったくわかっておらず,今後多施設間で症例を集積,解析していく必要がある.