2013 年 53 巻 11 号 p. 1029-1032
最近,大脳皮質基底核変性症(CBD)および症候群(CBS)の背景病理と生前のMRIにおける脳萎縮分布との対応を検討した報告がいくつかある.CBD群では健常対照群と比較して背側前頭前野,中心溝近傍,線条体,脳幹において萎縮がみられ,左右差がめだつ症例は多くはなかった.CBSでは背景病理にかかわらず中心溝周辺の萎縮がみられ,前頭側頭葉変性症(CBS-FTDL)ではそれに加えて前頭前野,線条体,脳幹に萎縮がみられ,アルツハイマー病(CBS-AD)では側頭·頭頂皮質,楔前部の萎縮がみられた.
アミロイドイメージングに加えて,最近,タウのイメージング剤の開発も進んでおり,CBSの背景病理の診断には有力は方法となると考えられる.