2013 年 53 巻 4 号 p. 316-319
発端者は22歳女性である.幼少期より重症な筋強直・筋肥大を示し,Thomsen病と臨床診断されていた.発端者の母側はきわめて軽症なThomsen病の優性家系で,父側は非罹患家系であった.CLCN1遺伝子解析では,重症の発端者にc.1615A>Gとc.1679T>C,軽症の母にc.1679T>C,無症候の父にc.1615A>Gの既報の変異がみとめられた.母は症候性Thomsen病,父は無症候性保因者であり,両変異の複合ヘテロ接合体が発端者の重症化に関与したものと考えた.Thomsen病の変異は浸透性が低く,同一家系内でも多様な重症度を示すが,非罹患家系の親に存在する変異により筋症状が重症化することがある.