臨床神経学
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症例報告
新規POLR3A遺伝子変異をみとめた大脳白質形成不全症の1例
田村 麻子丹羽 篤伊井 裕一郎佐々木 良元冨本 秀和才津 浩智
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2013 年 53 巻 8 号 p. 624-629

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抄録

症例は34歳男性である.兄に類症あり.小学校高学年頃に学力低下で発症し,2次性徴の発現がなく,類宦官体型,軽度小脳失調や強度の近視をみとめたが,歯牙低形成はみられなかった.血液検査上,ゴナドトロピン(LH,FSH)およびテストステロンの低値を,MRIでミエリン低形成,小脳・脳幹萎縮,脳梁低形成を,SPECTで小脳の集積低下をみとめ,遺伝子解析の結果,POLR3A遺伝子の新規c.2350G>A(p.Gly784Ser)ホモ接合体変異をみとめ,PolIII関連白質ジストロフィーと診断した.

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© 2013 日本神経学会
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