臨床神経学
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症例報告
Truncal lateropulsionと半身の胸髄レベル以下の温痛覚障害を呈した延髄外側梗塞の45歳男性例
西平 崇人鈴木 圭輔竹川 英宏中村 利生岩崎 晶夫平田 幸一
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2014 年 54 巻 10 号 p. 819-823

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抄録

症例は45歳男性である.後頭部痛と吐き気の後,左方向への傾きが出現した.神経学的には左へのtruncal lateropulsion以外に異常はなかった.頭部MRIでは左延髄下部外側に急性期梗塞をみとめ,臨床・画像所見から左椎骨動脈解離による機序が考えられた.第6病日に右第10胸髄以下の温痛覚障害,左顔面発汗低下,左縮瞳が出現し,頭部MRIでは梗塞巣が拡大していた.脊髄小脳路の障害によりtruncal lateropulsionが,外側脊髄視床路の最外側部の障害により胸髄以下の温痛覚障害が出現したと推察された.本症例は延髄外側の臨床症状と障害部位との関連を理解する上において貴重な症例と考えられた.

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© 2014 日本神経学会
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