2014 年 54 巻 12 号 p. 1139-1141
近年の安静状態機能的MRI研究によって,6~8個の大規模機能的ネットワークが,脳ネットワークの基本的構成要素であることが明らかになった.4例の難治性てんかん患者のECoG記録を解析し,発作起始時速波をみとめる複数の領域と,これら大規模機能的ネットワークの空間的分布を比較したところ,良く合致していた.大規模機能的ネットワークが,てんかん性活動の伝播に寄与することが示唆された.一方,てんかん患者で,発作間欠期に大規模機能的ネットワークの結合性が低下することが報告されている.てんかん性放電の伝播により機能的結合性が障害されている可能性が示唆され,今後の検討が必要である.