臨床神経学
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<公募Symposium 01> 日本人に好発する遺伝性白質脳症の診断と今後の展望
HDLSとの鑑別に有用なCADASILの新たな診断法
植田 明彦安東 由喜雄
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2014 年 54 巻 12 号 p. 1168-1170

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抄録

HDLSとCADASILは共に常染色体優性の遺伝性白質脳症である.HDLSが前頭葉機能障害や認知症で発症する事に対し,CADASILでは片頭痛や脳梗塞で発症する.また,CADASILでは有病率の高い若年発症の脳梗塞の家族歴が重要である.CADASILは側頭極白質病変が特異的であるが,本病変を欠くばあいもあり,家族歴,その他の画像所見より総合的な診断が必要なばあいもある.共に半卵円中心に病変ができるが,梗塞巣と脱髄病変との鑑別には,血管走行との関係が評価しやすい冠状断MRIが有用である.臨床像や画像所見から両者を鑑別できないばあいでも,皮膚の病理診断で鑑別できる.皮膚組織のGOMは病態解析において重要であり,GOMの生化学的解析がCADASILの病態解明の鍵を握る.

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© 2014 日本神経学会
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