2014 年 54 巻 3 号 p. 200-206
症例は35歳女性である.亜急性に知的機能低下が進行し,血漿総ホモシステイン(tHcy)上昇,葉酸低下,MRI FLAIR画像で後方優位の白質,両側錐体路に高信号をみとめた.メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(methylenetetrahydrofolate reductase; MTHFR)欠損症をうたがい,葉酸,ビタミンB12,B6を投与し,臨床症状,tHcy値,画像所見が改善した.MTHFR活性測定の結果,いちじるしい酵素活性の低下をみとめ,遺伝子解析の結果,二つの一塩基多型(single nucleotide polymorphism; SNP)をホモ接合性に有していることが原因と考えられた.