臨床神経学
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短報
重度貧血の補正によりposterior reversible encephalopathy syndromeを生じ,血圧正常にもかかわらず脳出血を続発,脂溶性ビタミン欠乏症の関与が考えられた1例
白石 渉宇根 隼人岩永 育貴山本 明史
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2014 年 54 巻 6 号 p. 518-521

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抄録

症例は36歳女性である.即席麺やスナック菓子ばかり食べていた.4年前から下腿浮腫を自覚するも放置していた.来院18日前に全身浮腫と体動困難を生じ前医受診,Hb 1.4 g/dlの貧血と心拡大をみとめ,重度貧血にともなう心不全として輸血加療され改善し前医を退院.翌日夜に痙攣を生じ当院に救急搬送.頭部MRI画像からposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.治療するも脳出血を続発,また,ビタミンA欠乏による視力障害を期に脂溶性ビタミン欠乏症が判明した.PRESは時に輸血合併症として生じ,本症例は食習慣によるビタミン欠乏が脳出血に関与した可能性がある.

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© 2014 日本神経学会
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