2015 年 55 巻 10 号 p. 732-736
症例は49歳女性.四肢脱力が約20日間で進行し当科に入院した.四肢近位筋優位の筋力低下と四肢遠位優位の異常感覚をみとめた.Guillain-Barré症候群を疑い免疫グロブリン大量静注療法を実施するも筋力低下は進行し歩行困難となった.同時期から蛋白尿が出現し腎生検にて巣状糸球体硬化症と診断された.また抗SS-A抗体陽性と唾液腺生検によりSjögren症候群と判明した.ステロイド療法を追加することにより筋力低下は改善し蛋白尿も消失した.Motor dominant neuropathyを合併するSjögren症候群は稀であり,巣状糸球体硬化症との関連を含め文献的考察を加えて報告する.