臨床神経学
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症例報告
自己免疫介在性と考えられたnew-onset refractory status epilepticusの1例
石倉 照之奥野 龍禎荒木 克哉高橋 正紀渡部 健二望月 秀樹
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2015 年 55 巻 12 号 p. 909-913

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抄録

症例は23歳男性である.先行感染後に強直間代性痙攣を発症し,抗てんかん薬による治療にもかかわらず,痙攣発作を繰り返した.ウイルス学的検査や抗神経抗体は検索した範囲では陰性で,原因不明であったことから,new-onset refractory status epilepticus(NORSE)と呼ばれる症候群に合致する臨床像であった.ステロイドパルス療法,免疫吸着療法及び経静脈的免疫グロブリン療法を行い痙攣の頻度が減少したが,意識障害は遷延した.本患者血清を用いてラット脳の免疫染色を行ったところ,海馬神経細胞の核及び細胞質が染色され,自己免疫介在性であることが示唆された.

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© 2015 日本神経学会
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