2017 年 57 巻 1 号 p. 41-44
症例は21歳男性である.2015年4月頃両側足趾のしびれで初発し,6月下旬に歩行障害が出現,8月には高度な姿勢時振戦を認めた.電気生理検査では脱髄性末梢神経障害を認めた.また頭部MRIで複数の小病変を認め,抗neurofascin 155(NF155)抗体が陽性であったため中枢末梢連合脱髄症と診断した.免疫グロブリン大量静注療法,ステロイドパルス療法の効果は軽微であったが,単純血漿交換療法では症状の改善と抗体価の低下を認めた.近年,中枢末梢連合脱髄症と抗NF155抗体との関連が報告されており文献的考察を加えて報告する.