2017 年 57 巻 3 号 p. 110-117
日本神経学会年次学術大会の脳波判読ハンズオン(以下年次大会ハンズオン)と日本神経学会近畿地方会の脳波判読セミナー(以下地方会判読セミナー)でのアンケートを元に,受講者の実態,ニーズとその変遷を検討した.地方会に参加した神経内科専門医の割合は年次大会よりも高かった.地方会参加者は年次大会参加者よりも月単位の脳波依頼件数と判読件数が多かった.年次大会と地方会の満足度の高い講義はそれぞれ,正常脳波とてんかんの脳波で,要望の高い講義はそれぞれ,脳波の読み方とてんかんの脳波であった.受講者のニーズを今後の講義内容に反映させて,神経内科専門医の脳波判読スキル向上に資する効率的な教育機会を提供する必要がある.