臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
総説
血液脳関門障害の機序解明から血管性認知症の予防と治療に向けて
上野 正樹
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 57 巻 3 号 p. 95-109

詳細
抄録

血管内物質が脳機能へ与える影響を考えるに際し,血液脳関門の存在が問題となる.また,脳内の組織間液や脳脊髄液の脳外への排出に関しては,最近,二つの代表的な排出路の存在が確立されつつある.一つは脳組織間液が毛細血管基底膜から細動脈の中膜平滑筋層の中を通る経路で,他の一つは脳脊髄液が細動脈周囲腔からアクアポリン4依存性アストロサイト細胞質内を経て細静脈周囲腔から脳脊髄液にはいる経路であり,いずれも最終的に頸部リンパ節や静脈内に排出されるとされ,脳全体のバリア機能にも寄与していると考えられる.今回,血液脳関門を含む脳のバリア機能の障害と血管性認知症の病態との関係に焦点を当て,最近の知見を紹介する.

著者関連情報
© 2017 日本神経学会
次の記事
feedback
Top