臨床神経学
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総説
認知症の診療における核医学診断の現状と展望
伊藤 健吾乾 好貴木澤 剛木村 泰之加藤 隆司
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2017 年 57 巻 9 号 p. 479-484

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抄録

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease; AD)の画像診断では,脳血流SPECTなど核医学検査をその有用性と限界を理解した上で,早期診断,鑑別診断のため診療に活かすことが重要である.現在導入されつつあるアミロイドPETは,ADの早期診断とともに鑑別診断にも極めて有用であるが,画像バイオマーカーとしては,認知症に保険適用外のFDG-PETと相補的な意味合いも持っている.また,開発中のタウPETはADのより高い精度の評価を実現するのみでなく,AD以外の認知症における応用が期待されている.今後画像バイオマーカーは薬物あるいは非薬物療法によるADへの早期介入を行う場合に,症例選択および介入による治療効果の判定において欠かせない.

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© 2017 日本神経学会
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