臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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原著
国内筋ジストロフィー専門入院施設における顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの病状と死因の経年変化(1999~2013年)
齊藤 利雄久留 聡髙橋 俊明鈴木 幹也尾方 克久
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2019 年 59 巻 11 号 p. 716-722

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抄録

1999~2013年10月1日時点の全国27筋ジストロフィー専門施設入院患者データベースの顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(facioscapulohumeral muscular dystrophy; FSHD)情報を解析した.各年の入院例数は63~72例で,平均67.1 ± 3.3例であった.50歳以上の高齢層が徐々に増加し,最高年齢は82.8歳であった.多くは歩行不能で,人工呼吸器装着率は,1999年の21.0%から2013年には71.0%と増加した.1999年に98.4%であった経口摂取率は,2013年には75.4%となった.死亡報告36例中,15例は呼吸不全,4例は心不全であった.重症FSHDでは,呼吸管理,栄養管理が問題となり,呼吸不全は生命予後を左右する.

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© 2019 日本神経学会
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