2019 年 59 巻 11 号 p. 736-739
20歳女性.1週間前から頭痛,発熱,嘔気があり受診した.軽度の項部硬直以外に異常所見はなかった.単核球優位の髄液細胞増多を認め,髄膜炎疑いで入院した.入院3日目に過眠となり,MRIにて両側視床下部と橋内側,頸髄から胸髄髄内の広範な異常信号を認めた.視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)を疑い,ステロイドパルス療法を施行したところ解熱し,傾眠およびMRIの異常信号が消失した.視床下部病変を伴うNMOSDでは髄膜炎様症状で発症することがあるため,無菌性髄膜炎と考えられる患者でも,早期のMRI撮像が重要と考えられた.