臨床神経学
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症例報告
緩徐に進行する球麻痺症状を呈し,運動ニューロン疾患が疑われた視神経脊髄炎関連疾患の1例
武田 清明吉村 賢二神吉 理枝森畑 宏一中野 智
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2019 年 59 巻 3 号 p. 139-143

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抄録

症例は52歳女性.4か月の経過で緩徐に進行する嚥下・構音障害と舌萎縮を認めた.運動ニューロン疾患(motor neuron disease; MND)をまず疑ったが,神経伝導検査,針筋電図では異常はなかった.頭部MRIで延髄背側部に病変を認め,抗アクアポリン4抗体が陽性であったため,視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorders; NMOSD)と診断した.NMOSDは,稀ながら本症例のように舌萎縮を伴う球麻痺症状が緩徐に進行する経過を呈することがある.緩徐に進行する球麻痺・舌萎縮の鑑別疾患としてNMOSDを挙げることは臨床上重要である.

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© 2019 日本神経学会
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