臨床神経学
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短報
脊髄性筋萎縮症様の臨床症状を呈したMORC2 S87L変異によるCharcot-Marie-Tooth病2Z型の1例
山本 大輔小田 亮介久原 真石川 亜貴荻 朋男下濱 俊
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2021 年 61 巻 4 号 p. 262-264

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抄録

家族歴がない33歳男性.小児期からの四肢筋力低下,関節拘縮,骨格変形を認め,脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy,以下SMAと略記)と診断され,介助や補助具を使用して生活していた.自覚的にも,身体診察上も感覚障害が軽微だったが,末梢神経伝導検査(nerve conduction study,以下NCSと略記)は軸索障害型運動感覚ニューロパチーの所見であった.Charcot-Marie-Tooth病(CMT)が疑われ,遺伝子検査でMORC2 S87L変異を認めため,CMT2Zと診断した.MORC2 S87L変異は重症な表現型をとり,SMA様に見えることがある.詳細な身体診察とNCSによる感覚神経障害の有無を確認する必要がある.

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© 2021 日本神経学会
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