臨床神経学
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原著
ドパミンアゴニストからゾニサミドへの切り替えによるパーキンソン病患者の精神症状及び運動症状への影響
阿部 隆志丸山 秀徳
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電子付録

2021 年 61 巻 7 号 p. 449-455

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抄録

ドパミンアゴニスト(dopamine agonist,以下DAと略記)が原因で幻覚・妄想を発現したと考えられるレボドパ服用中のパーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)患者11例に対し,DA減量・中止と同時にゾニサミドを新規投与し,精神・運動症状への影響を評価した.その結果,MDS-UPDRS Part 1.2(幻覚と精神症状)及びPart 3(運動症状)のベースラインから12週後のスコア変化量(LS Mean ± SE)はそれぞれ−2.4 ± 0.2,−5.1 ± 0.9であり,共に有意なスコア低下が認められた.以上の結果から,幻覚・妄想の発現・増悪への対処としてDAの減量・中止した時のゾニサミド追加療法は,PD患者の精神・運動症状のコントロールに有用な戦略になる可能性が考えられた.

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© 2021 日本神経学会
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