2022 年 62 巻 7 号 p. 546-551
症例は36歳男性.4年前に潰瘍性大腸炎と診断.2020年10月に血便を来し,潰瘍性大腸炎再燃との診断で,サラゾスルファピリジン内服開始15日後に右下腿痛と腫脹が出現した.MRIで右下腿の筋膜や血管周囲にT2脂肪抑制画像で高信号,造影T1脂肪抑制画像で増強効果を認めた.右下腿の腫脹は自然軽快するも,左下腿にも腫脹,疼痛が出現した.MRIでは右と同所見で,筋生検では筋組織に異常所見は認めず,臨床経過から限局性筋膜炎と診断した.Crohn病に合併して限局性筋膜炎を来すgastrocnemius myalgia syndromeの報告が多いが,潰瘍性大腸炎では稀である.状況に応じて安静及びステロイドなどの治療が重要である.