臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
症例報告
中高年以降に自律神経障害を併発し,GAN新規変異を認めた巨大軸索ニューロパチーの1例
井元 万紀子中村 航大井上 貴美子安藤 匡宏樋口 雄二郎髙嶋 博奥田 志保
著者情報
ジャーナル オープンアクセス HTML

2023 年 63 巻 9 号 p. 566-571

詳細
抄録

症例は69歳男性.5歳時より歩行困難を認め,13歳頃より杖歩行,17歳頃より車椅子生活となった.他院でシャルコー・マリー・トゥース病と診断されたが,遺伝子検査や神経生検は施行されなかった.54歳時当科初診.以降も四肢遠位筋の筋力低下や感覚障害が緩徐に進行し,60歳時の遺伝子検査でGAN新規変異(c.1478A>C, p.E493A)を認めた.臨床的には巨大軸索ニューロパチー(giant axonal neuropathy,以下GANと略記)の典型例とは異なり,知的能力は保たれ,縮れ毛はなく,61歳以降は声帯麻痺や自律神経障害を併発し,過去の報告よりGANの軽症例と診断した.

著者関連情報
© 2023 日本神経学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top