Rinsho Shinkeigaku
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Is the frequency of head MRI lesions reduced in Wernicke’s encephalopathy associated with alcoholism?
Daisuke KuzumeYuko MorimotoSatoshi TsutsumiMasahiro YamasakiNaohisa Hosomi
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2024 Volume 64 Issue 12 Pages 906

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拝復

この度は,「ウェルニッケ脳症における頭部MRI異常を来す要因の解析」1に関して,貴重なご意見を頂き,誠にありがとうございます.

本研究では単変量解析によって,論文で記載しました結論を導き出しましたが,先生のご指摘の通り,アルコール依存症(AL)の有無と頭部MRI病変の出現頻度の関係において,ビタミンB1値が潜在的な交絡因子となっている可能性は十分考えられ,単変量解析の結果のみでは,このような交絡因子の影響を適切に評価することが難しいと思われます.

これを解決する為に,多変量解析,特に二項ロジスティック回帰分析の有用性についてのご提案は,考慮すべき点と思います.しかしながら,本研究における最大の制約は症例数の少なさです.わずか26例という限られた症例数では,本研究での単変量解析によって得られた2項目(「ALの割合」と「ビタミンB1値」)を変数として用いて,詳細に多変量解析を実施することが統計学的に困難であると思われました.

本研究をさらに発展させるためには,可能ならば前方視的に多施設共同で症例数を増やし,先生にご提案いただいた多変量解析を含めたより詳細な統計解析を行うことで,ウェルニッケ脳症におけるMRI所見の出現に関する要因をより明確に示すことができると考えております.

この度は貴重なご意見を頂き,重ねて御礼申し上げます.

敬具

利益相反

著者全員に本論文に関連し,開示すべきCOI状態にある企業,組織,団体はいずれも有りません.

文献
 
© 2024 Japanese Society of Neurology

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