2024 年 64 巻 3 号 p. 171-175
症例は51歳男性.X−1月,急性の意識障害と精神症状で発症し,X月当院精神科に入院した.頭部MRIでびまん性白質病変を認め当科に紹介された.123I-IMP-SPECTでは前頭葉中心に広範な脳血流低下を認めた.抗Tg抗体,抗TPO抗体,抗NAE抗体が陽性であり橋本脳症と診断した.ステロイドパルス療法,ステロイド後療法,免疫グロブリン大量静注療法に反応し,症状,画像所見の改善を認めた.橋本脳症では急性の意識障害や精神症状で発症した場合,辺縁系脳炎類似のMRI所見を呈することが多いとされるが,本例はびまん性白質病変を呈し鑑別診断を考える上で臨床的に重要と思われた.