臨床神経学
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依頼総説
MS/NMO治療の最新潮流:国内で投与する場合の留意点とpersonalized therapy
田中 正美
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2025 年 65 巻 5 号 p. 319-330

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抄録

多発性硬化症と視神経脊髄炎スペクトラム障害ではもはや再発のリスクをほぼゼロにできる時代で,再発した場合は誤診断の可能性を考慮しなければならないほどである.ただ,両者とも感染症リスクを低くすること,過剰治療を避けるための工夫が必要である.今後は,ミエリン再生増強だけでなく,神経細胞や軸索変性を標的とした治療,さらには免疫系の記憶を消去して再構築するimmune reconstitution therapyの可能性も視野に入ってくるかもしれない.であれば,ますます行き過ぎた治療を避けた,時代に即した,それぞれの患者に見合ったpersonalized therapyが重要であろう.

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© 2025 日本神経学会

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