2026 年 66 巻 7 号 p. 479-484
症例は53歳女性.慢性的な食思不振と歩行困難で前医を受診し頭部MRIで天幕上下の異常高信号を認め当科へ紹介された.入院時左右差のない高血圧および軽度の炎症を認め,所見からposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断し,降圧療法を行った.症状とMRI所見は改善したが一部残存した.高血圧の原因検索中にCOVID-19を発症し治癒後も微熱と炎症反応が持続した.体幹部造影CTで大動脈弓部を含む血管周囲に造影効果を認め高安病(Takayasu arteritis,以下TAと略記)と診断した.本例はPRESを契機に潜在性TAが明らかとなりCOVID-19罹患がTAの炎症顕在化の契機となった.