論文ID: cn-000820
症例は53歳女性である.左Th5~6領域の帯状疱疹罹患後に左顔面から胸部の発汗過多と左下肢麻痺,胸部から両下肢にかけての感覚障害を呈した.MRI上Th1~7椎体レベル左側優位に病変を認めた.症状はアシクロビルとメチルプレドニゾロンパルス療法で軽快した.水痘帯状疱疹ウイルスIgG indexが高値であり,varicella zoster virus(VZV)脊髄炎として矛盾しないが,血清抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性であり,発症後1年7か月で脊髄炎の再発をきたした.本症例ではTh2~7高位の左側脊髄病変により,脊髄中間外側角より前角に至る経路で交感神経が障害され,左顔面から胸部の発汗過多を呈したと考えられた.