臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

帯状疱疹に続発し発汗過多を呈し,抗アクアポリン4抗体陽性を示した脊髄炎の1例
須田 真千子堤内 路子上坂 義和林 伸和
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: cn-000820

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

症例は53歳女性である.左Th5~6領域の帯状疱疹罹患後に左顔面から胸部の発汗過多と左下肢麻痺,胸部から両下肢にかけての感覚障害を呈した.MRI上Th1~7椎体レベル左側優位に病変を認めた.症状はアシクロビルとメチルプレドニゾロンパルス療法で軽快した.水痘帯状疱疹ウイルスIgG indexが高値であり,varicella zoster virus(VZV)脊髄炎として矛盾しないが,血清抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性であり,発症後1年7か月で脊髄炎の再発をきたした.本症例ではTh2~7高位の左側脊髄病変により,脊髄中間外側角より前角に至る経路で交感神経が障害され,左顔面から胸部の発汗過多を呈したと考えられた.

著者関連情報
© 2016 日本神経学会
feedback
Top