論文ID: cn-000920
Tumefactive demyelinating lesion(TDL)を呈する多発性硬化症は小児において極めて稀であり,腫瘍性疾患との鑑別が困難である.確定診断のためには侵襲の大きい脳生検が必要だが,近年MR spectroscopy(MRS)によるグルタミン・グルタミン酸複合(glutamine-glutamate; Glx)ピークの上昇を参考に腫瘍性疾患を除外している報告も散見する.今回経験した9歳女児例の経過を示すとともに,TDLとGlxピークの上昇に関する報告を検討し,脳生検とMRSの有用性について考察した.