臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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皮膚生検により皮膚動脈炎による下肢多発性単ニューロパチーと診断し得た1例
伊佐早 健司白石 眞田中 啓太佐々木 梨衣川上 民裕長谷川 泰弘
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論文ID: cn-001013

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抄録

症例は55歳男性,主訴は左下肢疼痛.2012年頃左下肢に紫斑が出現.2013年頃左ふくらはぎの疼痛,2014年頃足底・母趾にしびれが出現.両下肢に網状皮疹,両側脛骨神経,左浅腓骨神経,腓腹神経の多発性単ニューロパチーを認めた.ANCA陰性,神経伝導検査は両側腓骨・腓腹神経,左脛骨神経の振幅低下あり.皮膚生検で皮下脂肪織内小動脈壁への炎症細胞浸潤あり,皮膚動脈炎(cutaneous arteritis; CA)と診断した.抗凝固療法,ステロイド療法,シクロフォスファミドパルス療法を行い,運動・感覚症状は改善した.下肢多発性単ニューロパチーを呈する患者の診察では,下肢の皮膚所見を入念に確認し,CAを念頭に皮膚生検を考慮することが重要である.

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