論文ID: cn-001040
症例は24歳女性.家族歴なく発達は正常で運動は得意であった.13歳,歩行困難となりCK値1×104IU/l台,筋生検で筋ジストロフィーと診断された.16歳,独歩不能となり当院を受診した.選択性を欠く瀰漫性の筋萎縮,MRI STIRで不均一な高信号域,筋生検で壊死再生と単核球浸潤があり炎症性筋疾患と診断し,免疫療法後に独歩可能となった.のちに抗HMGCR(3-hydroxy-3-methyl-glutaryl-CoA reductase)抗体陽性が判明した.治療可能な炎症性筋疾患と筋ジストロフィーの鑑別には,病歴や家族歴,罹患筋の選択性,画像・病理で炎症を示唆する所見を統合し判断する必要がある.