臨床神経学
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深昏睡患者における脳波検査での光刺激による網膜電位と脳幹反射との鑑別の重要性
三橋 賢大人見 健文青山 晃博海道 利実池田 昭夫髙橋 良輔
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論文ID: cn-001049

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抄録

症例1:35歳女性,肺手術後に脳出血を生じ,深昏睡となった.症例2:39歳女性,肝臓手術後に小脳出血を生じ,深昏睡となった.両例で頭皮上脳波検査を施行し,2例とも電気的大脳無活動を呈したが,光刺激に同期した電位を両側前頭極電極に認めた.その振幅及び潜時は症例1で17 μV,24 msec,症例2で9 μV,27 msecであった.分布・潜時から網膜電位と判断した.また,症例2では片眼光刺激も行われ刺激側のみに同様の電位を認めた.深昏睡患者および脳死とされうる状態の患者の脳波検査における光刺激では,光眼輪筋反射の有無に着目することにより脳幹機能を評価できる.その際には網膜電位との鑑別を必要とする.

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