論文ID: cn-001375
症例は27歳の男性.変動する両下肢の筋脱力を主訴として来院した.低頻度反復刺激試験でdecremental responseを認め,エドロホニウムの投与により改善した.全エクソーム解析でphosphoglucomutase 1(PGM1)遺伝子変異を認め,PGM1の酵素活性が欠損していたことからPGM1欠損症と診断した.ガラクトース摂取により両下肢の脱力は改善し,反復刺激試験でのdecremental responseも改善した.PGM1欠損症の筋脱力の病態の一部に,神経筋接合部関連物質のグリコシル化障害による神経筋接合部伝達障害が関与しており,先天性筋無力症と類似の病態を呈しうると考えられた.