臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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両側軟口蓋麻痺が急速に進行したサイトメガロウイルス感染後のFisher症候群の1例
前田 優香里梅村 敏隆金子 雄紀松本 慎二郎上條 美樹子亀山 隆
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論文ID: cn-001507

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抄録

症例は35歳男性.下痢,感冒症状後に開鼻声,鼻咽腔逆流,複視,歩行時ふらつきが急速に進行した.神経学的には両側軟口蓋麻痺,両側眼球運動障害,四肢腱反射亢進,四肢末梢の表在感覚障害,体幹と四肢の振動覚低下,体幹失調を認めた.入院時のIgM-CMV抗体が陽性であった.免疫グロブリン静注療法施行後,軟口蓋麻痺と体幹失調は著明に改善した.抗GT1a抗体に加え,抗GalNAc-GD1a抗体,抗GM2抗体が陽性となり,脳神経麻痺である軟口蓋麻痺を合併したと推察された.病態的にはFisher症候群とacute oropharyngeal palsyのoverlapと考えられ,両疾患の連続性が示唆された.

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