論文ID: cn-001928
脳波は非侵襲的かつリアルタイムに脳機能を評価でき,神経救急・集中治療患者の病態評価や予後予測に有用である.米国臨床神経生理学会の提唱する標準化された用語(Standardized Critical Care EEG Terminology)に基づいて,これら急性期患者の脳波所見に関する研究が急速に進んでいる.本稿では近年の知見を踏まえて神経救急・集中治療における脳波の臨床的活用方法と判読・解釈の要点について,主な目的ごとに解説する(発作検出,特殊な脳症の検討,重症度評価・予後予測).また,発作検出を目的とした持続脳波モニタリングについても述べる.脳神経内科医には神経救急・集中治療において基本的な脳波判読・解釈の能力と治療方針の決定支援が期待される.