臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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認知症を伴うパーキンソン病の発症と関連する臨床的特徴,神経心理所見および脳血流低下部位
黒羽 泰子高橋 哲哉荒井 祐生吉野 美穂子春日 健作長谷川 有香松原 奈絵小池 亮子池内 健
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開
電子付録

論文ID: cn-001968

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抄録

認知症を伴わないパーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)61例を2年間観察し,認知症の発症と関連する臨床的特徴,神経心理所見および脳血流低下部位を検討した.臨床的にはHoehn-Yahr分類4,幻覚,PDに伴う軽度認知障害が認知症発症と関連していた.神経心理所見として,WAIS-III積木模様,WMS-R視覚性対連合学習II,論理的記憶I,II,視覚性再生Iで低下を認める例が,また脳血流スペクト検査において頭頂葉後方-後頭葉に血流低下を認める例で認知症発症のリスクが高かった.これらの特徴を有するPDは認知症発症リスクが高く,認知機能やADLの変化に注意を要する.

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© 2024 日本神経学会

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