臨床神経学
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常同性発話を呈した行動型前頭側頭葉型認知症の1例
上田 有紀人松尾 皇松田 佳奈百崎 良新堂 晃大冨本 秀和
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-001969

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抄録

常同性発話を呈した行動型前頭側頭葉型認知症(behavioral variant of frontotemporal dementia,以下bvFTDと略記)の1例を報告する.症例は85歳,男性,右利き.2年前より,常同行為や食行動の変化などが現れ,ほぼ同時期に言語障害もみられた.症状が進行し,言語症状は重度で,発話は主に「おいとーの」という常同性発話に限定されていた.常同性発話の部分は,構音に軽度の歪みはあったが,発話開始困難や努力性は認めなかった.頭部MRIで左前頭葉を中心とする上・中・下前頭回に萎縮があり,脳血流SPECTで同部位と左基底核で低下を認めた.症状や経過と病巣から本例はbvFTDと診断され,常同性発話は無意味再帰性発話であると判断した.

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© 2024 日本神経学会

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