臨床神経学
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頭部回旋により形成された解離性椎骨動脈瘤の瘤内血栓によるartery-to-artery embolismを繰り返したBow hunter’s strokeの1例
福本 淳貴穂苅 万李子坂田 佑輔佐藤 晶五十嵐 修一森田 健一
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-001971

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抄録

症例は55歳女性.雪かき後に複視と後頭部痛が出現.第2頸椎レベルの右椎骨動脈に解離性動脈瘤を認め,後方循環系の脳梗塞を繰り返した.環軸椎亜脱臼があり,脳血管造影検査で頭部左回旋時の右椎骨動脈閉塞と右回旋時の左椎骨動脈狭窄を認めたためBow hunter’s strokeと診断した.頸椎カラー装着とアスピリン100 ‍mg内服で脳梗塞再発なく経過したが,再発予防目的に環椎軸椎後方固定術を施行した.術後6カ月でアスピリンを終了し,その後脳梗塞再発なく経過している.Bow hunter’s strokeは希少な疾患であり,環椎軸椎後方固定術で良好な転帰を得られたため報告する.

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