臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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Magnetic fatigue testが診断に寄与した多巣性運動ニューロパチーと運動型慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの境界例
福永 諒小川 暢弘畑 俊嘉矢端 博行山川 勇漆谷 真
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開
電子付録

論文ID: cn-001974

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抄録

症例は26歳女性.7ヶ月前から左上肢優位の筋力低下が出現,数週間で上肢挙上困難となった.症状は変動しながら進行し3ヶ月前から下肢近位筋力低下も出現,起立困難となった.神経伝導検査は軽微な終末潜時延長とF波減少のみで,明らかな伝導ブロックや感覚伝導異常はなかったがmagnetic fatigue test(MFT)にて近位伝導ブロックが示唆された.大量ガンマグロブリン療法が著効し免疫介在性ニューロパチーと診断しえたが,多巣性運動ニューロパチーと運動型慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの境界例であった.MFTの有用性のみならず両病態の異同を考察する上で興味深い症例であり報告する.

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