論文ID: cn-001980
症例は23歳女性.幼少期から爪白癬,鵞口瘡を認めていた.緩徐発症の頭痛で発症し,脳脊髄液検査で単核球優位の細胞数上昇,頭部MRIで水頭症を認めた.脳脊髄液からCandida albicansが検出され,カンジダ性髄膜炎の診断で抗真菌薬の投与を開始した.リポソーマルアムホテリシンB脳室内投与を行ったが病変は残存した.その後脳室―腹腔シャントチューブの閉塞を繰り返し,細菌性シャント感染により死亡退院となった.剖検所見では脳幹表面や脳室壁にびまん性に真菌の増生を認め,遺伝子検査でCARD9欠損症と診断した.CARD9欠損症は稀な疾患だが,原発性免疫不全症を疑う場合は遺伝子検査を考慮すべきである.