臨床神経学
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弁粘液腫状変性を伴うMarfan症候群に一過性黒内障を発症した1例
佐藤 健朗佐竹 真理飯塚 公己三森 雅広梅原 淳竹内 千仙井口 保之
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-001987

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抄録

症例は28歳,男性.突然の一過性の右眼の視野障害を発症し来院した.頭部MRIで明らかな虚血巣はなく,一過性黒内障と診断したMarfan症候群に特徴的な身体所見と高身長・弁膜症の家族歴を認めた.原因の精査で①上行大動脈瘤,②大動脈二尖弁と弁窓形成と大動脈弁閉鎖不全症,③僧帽弁逸脱症と閉鎖不全症を認めた.遺伝学的検査でFBN1遺伝子にバリアントを認め,Marfan症候群と確定診断した.待機的にBentall術と僧帽弁置換術を施行し,良好に経過した.病理検査で大動脈弁と僧帽弁の肥厚を伴う広範な粘液腫状変性を認め,塞栓性機序により一過性黒内障は発症したと考えた.

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