臨床神経学
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Cervical anginaを呈した椎間板ヘルニアによるT1神経根症の1例
十川 和樹安藤 哲朗金森 康夫古賀 俊介園生 雅弘福武 敏夫
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-001989

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抄録

患者は65歳男性.胸痛と背部痛で救急受診し心筋虚血が疑われたが検査で否定され当科を受診した.小手筋では左短母指外転筋に最も高度の筋力低下と,左T1皮髄節領域の感覚鈍麻,左Horner徴候が認められた.頸椎MRI T2強調像にてT1/2椎間左外側に椎間板ヘルニアがありT1神経根の圧迫が推定された.頸椎疾患による狭心症様の胸痛はcervical anginaと呼ばれC6,C7神経根症での報告が多いが,T1神経根症でも生じることが示された.T1神経根症はまれだが見逃されている可能性がある.T1神経根症では短母指外転筋に最も高度の筋力低下を認めることがC8神経根症との鑑別において重要である.

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