論文ID: cn-001990
64歳女性,8年前に筋萎縮性側索硬化症と診断,6年前より気管切開下人工換気管理,3ヵ月前よりカフ部のエアリークが出現.コンピューター断層撮影画像でカフ部の気管直径29.6 mmと拡張を認め,カフ圧は80 cmH2Oと高値を示した.長さが任意で設定可能な可動式気管カニューレを使用し,有効長を28 mm延長,カフレベルの変更に伴いエアリークが消失,カフ圧は25 cmH2Oに低下した.レントゲン画像では,以前のカフ部の縮小が観察された.カフ部のエアリークの要因としてカフ圧の不適切な管理による気管拡張が存在し,エアリークを解決するために可動式気管カニューレを施行する価値がある.