臨床神経学
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硬膜移植が発症に関連したと考えられた若年性脳アミロイドアンギオパチーの1例
古塚 建伍村上 綾岩村 晴香三宅 浩介浅井 昭雄藥師寺 祐介
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002006

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抄録

症例は47歳男性.42歳から3回の脳葉出血の既往があった.今回,突然発症の運動性失語と右片麻痺で受診し,頭部CTで左前頭葉に脳葉出血を認めた.開頭術痕を契機に,6歳時のヒト死体由来乾燥硬膜移植の既往が明らかになった.病理標本は得られなかったが,2022年に提唱された医原性脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy,以下CAAと略記)の診断基準案に則り,50歳未満の発症,髄液中アミロイドβの低下,遺伝的素因を認めないことから,本症例を医原性CAAと臨床診断した.若年の脳葉出血の原因として脳外科手術歴がある場合は,医原性CAAの可能性も検討されるべきである.

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© 2024 日本神経学会

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